社長挨拶
人々の“WELLNESS”のために
フィットネスに新しい時代がやってきました。いや、フィットネスに限らず、現在はあらゆる分野で新しい技術や考え方が広がり、過去に良いとされてきたものの価値が良くも悪くも見直される時期に入ってきているように思います。しかし、根本的に良いものは良いものであり、必要なものは必要なものです。ただ、形を変えて見え方を変えて進んでいく必要はあるかもしれません。
フィットネスインストラクターという職業が日本に誕生してから40年近くの歳月が経ち、その役割も時代とともに変わってきたと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、私は “役割”という観点では実際何も変わってないのではないかと思っています。もちろん、その時代ごとに人気のプログラムは変化し、理論や技術もアップデートされてきました。しかし、フィットネスインストラクターという職業・価値観がこの世に生み出されたのは、最新の生理学や新しいプログラム、踊りやエクササイズを世に送り出す“伝える人”としての役割ではなく、人々が自然と求める健康や幸せの実現の手助けをする“叶える人”としてなのではないでしょうか。
正直申しますと、私自身フィットネス素人です。しかし、ずっと健康でいたい、ずっと人生を楽しみたいとは思っています。世の中の多くの方は、私と同じような考えのフィットネス素人ではないでしょうか。そして、そのフィットネス素人の方々の前に立ち、“いろいろ”なことをするのがフィットネスのプロ、インストラクターです。
では、素人目線から考えたときに、その方々がフィットネスインストラクターに求める“いろいろ”とはなんでしょうか?
- 新しいプログラム?
- 他と違う奇抜な動きやポーズ?
- きつい運動?
- 最新の理論?
もしくは、
- 願いが叶う時間?
- 楽しい時間?
- リフレッシュできる時間?
- 現実からの逃避?笑
皆様はどう思われますでしょうか?
良いフィットネスインストラクターとは?
先日、私の尊敬する先生とフィットネスについて話をする機会がございました。その時先生は私に、「このままではフィットネスインストラクターは全て機械に代わってしまうかもしれないね」と仰っていられました。私は否定できませんでした。なぜかというと、つい先日、「20年後にはこの世からタクシードライバーがいなくなる」という趣旨の記事を読んだばかりだったので、これは何もタクシードライバーに限ったことではないのだなと感じました。
お客様のご要望は、十人十色です。フィットネスクラブに友人や好きなインストラクターに会いに来る方もいらっしゃれば、夏のビーチデビューに向けて上腕二頭筋を鍛えに来る方もいらっしゃいます。その本当の目的を考えてあげることができれば、「ビーチでより輝くには上腕二頭筋もそうだけど、背筋があるとかっこいいよ!それでこんな水着がイケてると思う!」とアドバイスをしてあげることができるかもしれません。お客様の目的は、上腕二頭筋を鍛えることではなく、ビーチで輝き、脚光を浴びることなのです。それらお客様のご要望を叶えることがインストラクターの仕事であり、自分が学んだことや最新の知識を提供することではありません。お客様の小さな健康、大きな健康を叶え幸せを提供することが最大のミッションであるのであれば、それは機械には絶対にできないことです。機械には、相手の気持ち、見え隠れする想いを感じ取り、汲み取ってあげることができないからです。
もしかすると、お客様のお通じが優れないのは運動不足が原因ではなく、偏った食生活なのかもしれません。もし、そのことにフィットネスインストラクターが気付き、もしくは気付こうと努力し、改善をしてあげることができるのであれば、とても素晴らしい事ではありませんか?
これは余談ですが、英語で「I am fit now」というと、「今、俺の身体は調子が良いぜ」のような意味になります。そう考えると、Fitnessというものはそもそもエクササイズ以上の意味を持っているはずであり、「I am fit」と他人に言うには運動だけしていてもだめなのです。私がオーストラリアに住んでいた時は、「Fat but Fit」といえる友達がとても多くいました。そして、Fitと言われる人たちからは、得てして健康そうなオーラが漂っていて、生き生きと生活しているように見えました。
前述のようなフィットネス素人の私から見ると、完璧な踊りができるインストラクターより、私の想いに気付いてくれるインストラクターに教わりたいと思ってしまいます。そのようなインストラクターのクラスであったら、毎日受けたいです。なぜか?私の願いを叶えてくれるのはもちろん、こちらを向いてくれているという“愛”を感じるからです。完璧な踊りは、ネットで見ることができ、情報や理論が欲しければ本やウィキペディアで見られてしまいます。
もちろん、私は最新の情報や踊りのスキルを否定しているわけではありません。逆に、インストラクターという職業にとって情報量は多い方が良いに決まっています。うまく踊れたほうが良いに決まっています。それらが伴わないと、お客様のご要望に気付こうとしても気付けなくなってしまいます。また気付けたとしても、それを手助けすることが叶わなくなってしまいます。
大事なのは人々の“イェーイ!”
携帯電話というものは今では誰もが持っているものです。しかし以前の携帯電話は誰もが持っているわけではないですよね?では、携帯電話をその名の通り電話機として使っている時間と、情報を取得し人々とオンラインで繋がる機械として使っている時間、皆様はどちらの方が一日の割合の中では長いでしょうか?もちろん人によって状況は様々かとは思いますが、電話をしている時間より画面やボタンをポチポチ指で叩いている時間の方が長いのではないでしょうか。それは携帯電話が“電話をする機械”ではなく、“コミュニケーションを取る機械”だからだと思います。そのコミュニケーションの種類が以前は電話だけだったのが、インターネットという人々の考えが文字や画像になっているプラットフォームを見られるようになり、SNSで自ら発信し、電話よりも気軽に友達と連絡を取れるようになりました。皆様もご存じの通り、今ではiPhoneをはじめとした“スマホ”が主流になり、過去あれほど良いと言われていた日本流の携帯電話はガラパゴスと言われるまでになってしまいました。それは、日本の「より電波の良い環境でより安く電話をしてもらおう」という考えよりも、「より便利に気軽に楽しくコミュニケーションを取ってもらおう」という欧米の考え方が受け入れられたからではないでしょうか。
かの有名な「ダーウィンの進化論」というものがあります。本当に言ったかは諸説がありますが、「この世に生き残る生き物は、最も強いものではなく、最も頭の良いものでもなく、最も変化に対応できるものだ」というものです。クマが犬よりも優れている点を挙げるのは簡単かと思いますが、現状では犬の方がクマより繁栄し、良い思いをしていると言えます。このようなことは何も、携帯電話や生き物だけに言えることではないのではないかと思ってしまいます。
話は戻りますが、皆様は“Wellness”という言葉を聞いてどのようなことが思い浮かぶでしょうか?この言葉には数多くの定義が存在していますが、辞書で引いてみると「病気をしない幸せで健康な状態」や、「健康の定義をより踏み込んで、そして広範囲な視点から見た健康観を意味する」等、一言で健康というよりも、かなり大きな意味で定義しているようです。これを簡単に考えてみると、“ピンピン”というのが元気である状態を表す言葉であれば、それに心が伴ったのが“イェーイイェーイ!”ではないかと思い、それがWellnessではないでしょうか。インストラクターの究極の目的は、人々が“ピンピン”の状態であることを手助けし、さらに“イェーイイェーイ!”の状態にすることだと思っております。
株式会社Japan Wellness Innovationは、今後のフィットネスインストラクターの方々に必要なコンテンツをより充実させ、人々の“イェーイイェーイ!”を少しでも増やせる団体として進んでまいります。
上記のようなことを心に留めておけば、インストラクターの皆様がより社会に必要とされ、だれにとっても無くてはならない存在になり、より活躍していくと確信しております。
健康と幸せという二つの言葉を“Wellness”と言い換え、社名をJapan Wellness Innovationとさせていただきました。その社名には、人々のWellnessを実現したいという強い想いを込めました。日本には、お金があっても自ら命を絶ってしまう人が後を絶ちません。幸せなのに、命を絶つ人を私は知りません。幸せを、そしてWellnessを直接人々に提供できるインストラクターの方々が、重要でないわけがありません。日本一日本に貢献しうる存在だと強く信じております。
私には、夢が沢山あります。その中でも一番の夢は、インストラクターの方々がインストラクターになってよかったと、心から思っていただくことです。またより多くの方が人々のWellnessに寄与するインストラクターになることを目指していただきたいと願ってやみません。
Japan Wellness Innovationは、そんな皆様がより一層活躍し、輝くためのお手伝いをさせていただくべく、日々勉強を重ね、今後とも精進して参ります。
最後になりましたが、弊社の理念は「Fitnessで人々を幸せにする」です。
代表取締役 奥村 辰平